先発で再起をかける。ヤクルト成瀬が11日、都内の球団事務所で契約を更改し、減額制限(1億円以上は40%)を大きく超える1億2400万円(86%)減の2000万円でサインした。プロ初登板の06年以降、初の白星なしに終わった。「来てから迷惑しか掛けてない。クビを切られてもおかしくない中で契約してもらった。やるしかない」と背水の覚悟を示した。

 14年オフにロッテからFA移籍。先発の柱として期待されたが、3年間で通算6勝と期待を裏切った。3年契約最終年の今季は、2月の左内転筋肉離れで開幕に出遅れ、12試合登板で0勝1敗、防御率5・40。うち11試合は中継ぎを経験し「試合の途中から、よーいドンで100%のパフォーマンスを出せるタイプではない。先発の方が合っているのかな」とスターターへの思いを強くした。

 通算100勝にはあと4勝に迫っている。「移籍1年目でやる予定だったのが、3年たってもできなかった。来季の目標はまずローテーションを勝ち取ること。次はそれを守ること。その次が2ケタ勝利。キャンプから周り以上にアピールできたら」。ベテラン左腕が4年目に意地を見せる。(金額は推定)【鎌田良美】

 ◆減俸メモ 成瀬が1億4400万円から86%ダウンの2000万円でサイン。自由契約などで移籍のケースを除き、同一球団で86%ダウンは16年杉内(巨人)の90%(5億円→5000万円)03年伊藤智(ヤクルト)の88%(8000万円→1000万円)に次いで3位のダウン率。