エースがラストスパートをかける。巨人菅野智之投手(28)が25日、チームのCS進出へ、フル回転で臨む覚悟を示した。中5日で先発予定の28日DeNA戦(東京ドーム)を含め、残り6試合中3試合に登板する可能性がある。目標の200投球回まであと17回、3年連続の最優秀防御率のタイトルも目前だが「一番はCSに1つでも上の順位で出ること。僕が投げることでチームにプラスになればいい」とチームの勝利を最優先に掲げた。

大一番も見据える。10月9日に阪神とともにシーズン最終戦を控える。状況次第でCS最終切符を争う一戦となる場合もある。94年の「10・8」で中1日で救援登板した斎藤投手総合コーチは「勝った方が3位という可能性もある。そうしたらみんなで行くしかない」と総力戦の構えだ。

最終戦には阪神相手に24回連続無失点中のメルセデスの先発が濃厚。菅野は同4日の広島戦(マツダ)に再び中5日での先発登板が見込まれ、中4日で迎える最終戦には展開次第での救援登板もある。同13日のCSファーストステージ初戦には斎藤コーチが「CSから秘密兵器」という左手骨折明けのヤングマンも候補として控え、備えは十分だ。

24日の阪神戦では山口俊の3イニングまたぎで、引き分けに持ち込んだ。菅野は「感動しました。みんな必死ですよ」と新守護神の熱投に闘志をかき立てられた。「いつも通りやろうとすることが大事。やるべきことをやれば絶対勝てる」。この日、DeNAに並ばれ、3位タイ。最後に笑うために、決死の覚悟で戦いに挑む。【桑原幹久】