広島が7日、巨人にFA移籍した丸佳浩外野手(29)の人的補償として長野久義外野手(34)を獲得したことを発表。過去は若手を中心に選んできたが、人的補償では野手最高年俸となる長野を指名した。

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巨人から再び生え抜きのベテラン選手が去ることになった。FAで獲得した丸の人的補償として、長野が広島に移籍することが決まった。日大時代の06年(日本ハム)、ホンダ時代の08年(ロッテ)と2度ドラフト指名を拒否して09年に巨人入り。1年目に新人王、2年目に首位打者を獲得するなどチームの屋台骨を支えてきたが、西武に移籍する内海とともに、28人のプロテクト枠から外れた。

巨人山口オーナーは「何とも痛いですよね。長野選手はドラフトで他の球団から指名されて2回拒否をしてジャイアンツに入ってくれた。紛れもないチームの看板ですよね。内海選手も1回他球団の指名を断って来てくれた。2人失ったのは非常に痛いし残念です」と言った。

外国人選手などを除くと、巨人の人的補償の対象選手は47人で、19人がプロテクトから外れていた。国際電話で長野に謝罪したという大塚球団副代表編成担当は「全体のバランスを見てプロテクトしてますけど、まさかです。(広島は)若い選手が育っているから、まさかベテランを取るとは」と話した。丸の昨季推定年俸は2億1000万円で、今季の長野の方が1000万円高い。「若返りというのも考えてのプロテクトですが、あの辺を持っていくとは思ってなかったです。新井も引退したから右の代打というのもありますけど。難しいです。逆もありますからね」と言った。

再びチームに走った激震。ロサンゼルスに滞在中の長野は「自分のことを必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝利に貢献できるように精いっぱい頑張ります。ジャイアンツと対戦することを楽しみにしています」とコメントした。