ソフトバンク柳田悠岐外野手(30)が14日、右足を痛め練習途中で宮崎市内の病院へ直行した。

正式な診断は15日に球団から発表されるが、右太もも裏の肉離れとみられる。重症なら開幕ピンチ、軽症でも数日間は別メニュー調整となる。主軸の中の“主軸”である柳田の離脱が長引けば、リーグ優勝の奪回、3年連続日本一へ向け、いきなり黄信号がともる。

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第4クール初日、異変があった。午後からの打撃練習に柳田の姿がなかった。トレーニングウエアに着替えた柳田は「申し訳ないですが、私の口からは何も言うことができません」と話し、宮崎市内の病院へ向かうタクシーに乗り込んだ。

村松外野守備走塁コーチは「ランニング中に(発症した)。その後、シートノックにも入っていたけれど、しんどかったんじゃないか」と説明。この日、アイビースタジアムの外野芝は朝露の影響から、午前中はぬれて、滑りやすくなっていた。

球団は、宮崎市内の病院でMRI検査をした結果を受けて、15日に診断名を発表する方針だ。右太もも裏の肉離れの可能性もあり、森ヘッドコーチは「柳田は体が硬いから。やってしまったものはしょうがない。開幕までまだ時間はある」と話した。

病院から宿舎に戻った柳田は「2、3日くらいじゃないですか。張りくらいの感じ。ちょい痛です」と話し、本人の感覚では軽症ととらえているようだ。昨年はシーズン終盤の9月16日、練習中に頭部へ打球を受けて1週間離脱。今季もキャンプから思わぬ故障となった。

工藤監督は「診断を聞いてから、今後のことは考える」と話し、慎重な姿勢。今キャンプはロングティーで球場外の外灯を破壊したり、100センチの練習用のバットでバックスクリーンに打ち込むなど、昨季以上のパワーを見せていた。

チームとしても、シーズン中の故障を防ごうと、工藤監督が今キャンプの第1、第2クールは走る量を増やし、柳田も与えられたメニューを精力的にこなしていた。ケガが重症で、昨季打率3割5分2厘、36本塁打、102打点の柳田が抜けるならば、今季の戦力構想も、根底から崩れることとなる。首脳陣もファンも軽症と早期復帰を願うばかりだ。【石橋隆雄】