広島が4位で今季を終えた。クライマックスシリーズ(CS)進出を目前にしながら、9月27日の中日との今季最終戦に敗れ、自力での進出が消滅。

最後に6連勝した阪神にかわされ、4位に終わった15年以来のBクラスが確定した。緒方孝市監督(50)の去就は未定。先行きが不透明なまま、2020年を挑戦者として迎えることになった。

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いちるの望みが消えた。広島ナインはマツダスタジアムで紅白戦を行った後、CSに進出した場合に備え、ナイターを戦う阪神の結果を待った。阪神が逆転CS進出を決め、同時に広島の4位が確定。4連覇を目指した今季は、Bクラスで終了した。球場を引き揚げていた緒方監督は「チームの勝敗の責任は監督にある。こういう形になり、一生懸命戦ってくれた選手、コーチ、そして何よりファンの方々に申し訳ない」とコメントを発表した。

苦しみ続けたシーズンだった。球団史上初の開幕5カード連続負け越しという苦しいスタート。FAで巨人に移籍した丸の穴を埋めようと新たなチームづくりに取り組んだが、大型連勝と大型連敗をくり返す不安定な戦いを続けた。8月の勝負どころではバティスタがドーピング違反で離脱し、総得点は昨年の721点から591点に激減。救援陣は最後まで安定せず、70敗のうち半分近い32試合が逆転負けだった。

緒方監督の去就は未定。ここまで自らの今後について「まだ(シーズンが)終わっていない」と話すにとどめている。松田元オーナー(68)に今季の戦いを報告する際に、去就について話し合うとみられる。同オーナーはここまで、勝率5割に終わった今季について「最低限の義務は果たしてくれた。開幕からの出だしが悪く、おかしい、おかしいといううちに沈んでしまった」と話している。

主力の動向も不透明な部分が多い。チームリーダーの1人、菊池涼は昨オフにポスティングシステムによるメジャー挑戦の希望があると明かしており、今後は不透明。菊池涼に加え、野村、会沢も新たに国内FA権を取得。いずれも、流出となればチームにとって大きな痛手となる。昨年までセの王者として君臨していた広島が、試練のときを迎えた。【村野森】