新生オリックスが再出発を白星で飾った。前日20日に西村徳文監督(60)が成績不振により辞任。中嶋聡2軍監督(51)が監督代行に就任した。杉本、大城を1軍昇格即スタメンで起用するなど課題の得点力アップに動いた。ナインも発奮し、5番ジョーンズが同点6号ソロに決勝2点打の活躍で勝利に貢献した。

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勝利を見届けると、中嶋監督代行は右拳をグイッと突きだした。何度も、各方面にグータッチ。中嶋オリックス初陣で初勝利。ベンチ前で守護神ディクソンから記念球を受け取った。

「絶対に連敗を(4で)止めてやると思っていた。借金の数(16)を見たら簡単に上(位進出)の話はできないですけど、目指さないと何も始まらない。もう、やるしかないんで」

20日に成績低迷により西村監督が辞任。シーズン途中で監督代行を務めることになった。この日は朝一番に大阪・舞洲の球団施設に足を運んだ。2軍で打撃好調だった杉本に「一緒に(1軍に)行くぞ」と声を掛けた。

新生オリックスが垣間見えた。1番大城、8番杉本は昇格即スタメン起用。2軍でリーグトップの23打点をマークしている中川の勝負強さを期待して4番に置いた。今季の打率は1割台だが「僕は無敵な中川を見てきた。今の打率は全く関係ない。新しい中川を出してくれたら」と信頼する。

中嶋監督代行はこの日の試合前に代表取材で所信表明した。「そこに挑戦していくのが、我々の仕事」と勝利と育成の両方を目指すことを宣言。初陣から有言実行してみせた。

記念球の行方を問われると「え、子どもみたいやん、それ。お父さんに…そんなわけないやろ! 」と人間味ある受け答えで報道陣を笑わせた。ベンチ前の記念撮影の最後には、おちゃめに舌をぺろんと出した。「対話重視」の新指揮官の下、ベンチのムードは一変。オリックスは生まれ変わる。【真柴健】