日本ハム清水優心捕手(25)が、3年ぶり満塁弾を放った。西武21回戦の7回2死満塁、左越え4号アーチ。「勝利の女神」である母寛子さんがスタンドで見つめる中、18年5月3日楽天戦以来、自身3年ぶりのグランドスラムで勝利を決定付けた。チームを今季5度目の2ケタ得点に導き、5位西武にゲーム差なしと肉薄した。

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大勝に導くアーチを、力強く描いた。6点リードの7回2死満塁。清水が勝利を決定付けた。2ボールからの3球目、ど真ん中の直球142キロを逃さなかった。「入ったかな、と思いました」。左翼席一直線の4号満塁弾を確信し、走り始めた。満塁本塁打は18年5月3日楽天戦以来、3年ぶり。「残りの試合『打』の方でも貢献できるように頑張りたい」と気合を入れ直した。

スタンドでは「勝利の女神」が見守ってくれていた。12日から母寛子さんが現地観戦。18年4月17日の西武戦(東京ドーム)ではプロ入り後、初めて母の前で本塁打を放った。「ホームラン少ないのに(母の前では)2本目です」と照れくさそうに笑い「ちょっと親孝行できたかなと思います。いいところを見せられたのが一番」と一層、気持ちがこもった1発になった。

栗山監督は「ああいうところがユウシらしい。ホームランを打てるところがね。前の打席まで(3打数無安打)の中で本人も悔しい思いをしていたと思う」と目を細めた。東京五輪期間でペナントレース中断期間には、指揮官と膝をつき合わせて話す機会があった。「まず人に尽くさなければ、自分のやりやすい環境は出来るわけがない」など現状打破へのヒントを授かり、後半戦へ弾みを付けた。

チームの今季5度目の2ケタ得点につなげる活躍で、5位西武にゲーム差なしで並んだ。攻守で奮起し、正捕手への階段を上っていく。【田中彩友美】