阪神井上一樹ヘッドコーチ(50)がクライマックスシリーズでの終戦から一夜明けた8日、初のオフを迎える新人の佐藤輝明内野手(22)と今後面談を行い、“進化飛躍への2カ条“を授ける考えを明かした。

★体力をつけろ まずは体力面。前半戦で20本塁打を量産した一方で、後半戦は打撃不振で2軍降格も経験し、4本塁打にとどまった。「夏場過ぎに急降下するってことは、(競馬にたとえると)1600メートルまでは走れたけど、2500メートルなら走れなくなった馬みたいなもの。そういったところは意識して、体力づくりはオフの間にやれよ、と」。スタミナ強化を意識した練習に取り組み、来季は1年間フルで戦い抜ける体を作り上げろというものだ。

★野球脳を鍛えろ もう1つは頭脳面。シーズン途中から相手の分析にも苦しみ、プロ野球歴代ワースト6位タイの173三振を喫した。スコアラーなど専門スタッフに話を聞いたり、映像を見直すなど、「野球の勉強」も必要だ。「そういうのはある意味、宿題を出して。オフになった時に、ひまで家でゴロゴロしている時にたまに見てるっていうのでも、俺は全然いいと思う。そういったものを促そうとは思っている」。

もちろん、押しつけるわけではない。面談でじっくり対話し、なぜ2つの課題が必要なのか理解してもらう。「冷静に話をしていかなきゃいけない部分もある。シーズン中に三振をあれだけしたとしても、あいつの中でのポリシーはあると思う。自分の中で頑固な部分は持ってる。そこを柔軟にして、ちょっと吸収してもいいんじゃないというような部分を持てる時期かな」。有意義なオフを過ごし、来季は1年を通してフル回転してほしい。首脳陣も苦い経験を教材にした熱血井上塾から、完全復活をアシストする。【磯綾乃】