日本ハムが2夜連続でサヨナラ弾を浴び、交流戦は連敗スタートとなった。新庄剛志監督(50)は「ある? こんなゲーム」と切り出し、強めのトーンで言葉を続けた。「最後のダブルスチールは、あんなミスしちゃっていたら一生、上には上がっていけないね」。

BIGBOSSが指摘したのは2点を勝ち越した直後の9回の攻撃。23歳の誕生日を迎え、勝ち越し打を打ったばかりの清宮が三塁走者だった1死一、三塁の場面だ。新庄監督は重盗のサインを出した。捕手が二塁へ送球するケースであることを踏まえた作戦。想定通りに相手捕手はセカンドスローも、清宮がスタートを切ったのは送球が二塁へ届く寸前で本塁で憤死(記録は盗塁死)となった。

捕手が送球した瞬間にスタートを切っていれば、リードを3点に広げられた可能性が高かった。試合展開や状況など、成功する条件がそろっていたから重盗のサインを出したBIGBOSSは「セカンドスローと読んで…スタートが遅すぎる」と、嘆いた。清宮はリクエストを求めて指揮官の顔を見たが、あえて拒否。「あのミスで、そういうところじゃない。アウトでしょ」と、斬り捨てた。

清宮も猛省した。「守備、走塁で迷惑を掛けた」。バースデーで2安打1打点も守備も含めて記録に残らないミスがあった。ヒーローになりかけながら、悔しすぎる記念日に「そういうところで、こっちに流れが来なかった。申し訳ないです」と笑顔はなかった。

新庄監督は最後に清宮だけでなく、チーム全体に向けて言った。「あとは打球判断のミスが多すぎる。打ったら次は走塁、すぐに切り替える。これをしていかないと」。いい試合をしているのに、結果は今季5度目の3連敗。「終わってしまったことは仕方ないから切り替えて」と、前を向いた。【木下大輔】

○…日本ハム松本剛が今季1号の凱旋(がいせん)アーチ。1回に4年ぶり2本目の先頭打者弾を左翼席に放り込むなど、三塁打が出ればサイクル安打となる3安打で今季6度目の猛打賞。神宮では帝京時代の高3夏、東東京大会決勝でも左翼席へ本塁打しており「1度(神宮で)打ちたいと思っていた」と念願をかなえた。この日は、昨年10月に生まれた長女が初観戦。「運がいい。僕の本塁打なんて、なかなか見られるもんじゃないので」と喜んだ。