<中日1-9阪神>◇3日◇ナゴヤドーム

 先発王国のほころび?

 それとも余裕の1敗?

 防御率1点台を誇っていた中日投手陣が、阪神打線に打ち込まれた。先発小笠原が4回10安打6失点で2敗目を喫し、リリーフ陣も踏ん張れず今季ワースト16被安打、9失点。チーム防御率は2・06に上昇した。首位攻防3連戦の初戦を落とし、対戦成績は1勝4敗1分。最大のライバルに連敗すればリーグ優勝に向けた不安要素となるが、落合監督は「こんな日もある」と受け流した。

 今季ワースト被安打、ワースト失点の完敗。投手王国がほころびを見せても、落合監督は落ち着いていた。「年に何回かあるうちの1回だ。こういう日は必ずある。今までなかったのが不思議なくらい。別に驚きもしない。誰にでもあることだ。そんなにいい思いばかりさせてくれない」。笑みを浮かべながら言葉を重ねた。

 チームを支えてきた先発小笠原が崩れた。初回先頭赤星を空振り三振に仕留めたが、リズムに乗れない。2番平野に中前打を許し、続く新井に先制の左越え3号2ランを浴びた。3回には今岡の中犠飛で3点目を失う。さらに2死一、二塁のピンチをつくり、落合監督にマウンドで「説教」を受けた。それでも立ち直れず4回、平野にだめ押しの1号3ランを被弾。今季ワーストの4回10安打6失点で降板した。

 先発投手が5回もたずに降板したのは、この試合まで2回しかなかった。実績のある小笠原でも中継ぎを経験し、激しいチーム内競争にさらされていた。「(先制弾は)高めにいってしまった。期待を裏切って、中継ぎの人にも迷惑をかけてしまった。申し訳ないです」。12球団唯一、1点台を誇ってきたチーム防御率も2点台に上昇。自分を責めることしかできなかった。

 優勝争いのライバルとなる首位阪神に1勝4敗1分けとなり、2・5ゲーム差に離された。優勝→クライマックスシリーズ制覇→連続日本一のシナリオを書く中日にとって、これ以上分を悪くするわけにはいかない。落合監督は「逆にこういう日もあれば、シャキッとしていいんじゃないか」と前向き。【上野竜一】