<東京新大学野球:東京国際大11-2杏林大>◇最終週2日目◇31日◇さいたま市川通り公園球場

 就任4年目で念願のリーグ戦初優勝を果たした東京国際大・古葉竹識監督(75)の小柄な体が、3度宙に舞った。グラウンドではなく球場横の空き地。それでも古葉監督はとびきりの笑顔だった。「長かったなんて全然思っていない。勝ち負けよりきっちりした野球を通してしっかりした人間を作る。それが一番ですから」。穏やかな顔は、広島を率いて3度日本一に輝いた名将のそれというより、教育者そのもの。「4年生が下級生を本当に良く引っ張ってくれた。部員たちには厳しいことも言ったけど、いい子たちに恵まれた」。

 埼玉県内には専用球場が2つある。1つは神宮球場と同じ人工芝だ。「大学にお願いしたら本当に作ってくれた。ようやくたどり着けましたね」。次の舞台は7日から神宮で行われる全日本大学選手権。「神宮でも頑張るぞ!」。孫のような選手たちを前に名将が気勢を上げた。