<オープン戦:横浜1-6広島>◇23日◇横浜

 広島の開幕1軍野手メンバーが23日、確定した。開幕時の野手登録が17人になることが判明し、オープン戦最終戦となった横浜戦(横浜)後に上村が降格。17人の顔ぶれが自動的に決まった。投手の方は、先発ローテーション投手が数人外れるため開幕は11人でスタートするが、この日までに陣容は固まった。最終的には野手15、投手13を目安にシーズンを戦う。

 この時期ならではの「握手」だった。試合終了後、2軍行きを告げられたのは上村、青木勇、佐竹だった。ロッカールームで選手・スタッフと握手をかわした3人は奮闘およばず1軍の舞台を去った。

 上村がいなくなり、これで野手は全部で17人。まだ絞られる可能性もあったが、開幕は17人でスタートすることが分かった。ブラウン監督は「上村以外のメンバーは全員開幕戦に連れて行く」と明言した。

 昨年までの実績に関係なく、現在の状態とチーム方針に適合した選手だけが残った。ベテラン、若手と多彩なメンバー。左ひじ痛で今月上旬にようやく1軍に合流した嶋や、昨秋に左足首を手術した森笠も滑り込み、移籍組の木村、赤松も順調に名を連ねた。

 ただ、1軍で開幕を迎えられたからといって、まったく安心できないのが実情だ。開幕2カード目からは、開幕の時点で出場選手登録する必要のなかった先発投手が順次、登録される見込み。そこではじき出される野手が出てくる。

 ブラウン監督は基本布陣を「野手15、投手13」と考えている。野手2人が開幕後まもなく2軍行きとなる可能性がある。現時点では外野手が多いため、結果の残せていない嶋、森笠は少ない機会でアピールが必要。2人はこの日、開幕戦前の最後となる1打席のチャンスを生かせなかった。

 一方の投手陣は、ほぼ陣容が固まった。青木勇と佐竹が抜け、2軍調整中だった梅津が明日25日の練習から1軍に再合流する。これで13人。ただし、監督が「もう1度、各自の役割を確認しなければならない」と言うように、役割分担の詰めを残している。

 13人のうちリリーフは6人しかいないため、先発(7人)から1人をリリーフ要員として配置転換。さらに1人をロングリリーフ兼「6人目の先発」としてメンバー入りさせる案が有力だ。この2人は開幕時には一時的に登録を外れると予想される。

 オープン戦は7勝5敗1分けと勝ち越しで終了した。ブラウン監督は「成績にはこだわりはないが、試合の中でいい調整ができたし、相手の特色を知ることができた。収穫があった」と満足感を漂わせた。好調の理由は「競争だ」と断言する。永川の離脱という誤算はあったが、近年まれに見る大激戦を勝ち抜き、「開幕」を射止めた選手たちの姿に目を細めた。【柏原誠】