迷いはない。理想型オーダーとローテーションでロケットスタートだ。就任5年目の阪神岡田彰布監督(50)が開幕2カードを必勝態勢で臨む。「今年は強いという印象を与えたい」。懸案だった不振の今岡誠内野手(33)の開幕5番起用も決定。3カード目の巨人(4月4日から)、4カード目の中日(同8日から)の昨季上位チームと激突する前に、勢いを全開させる狙いだ。

 腹は固まった。横浜、広島の“下位球団”をたたき、上昇機運に乗る。開幕の戦場となる京セラドーム大阪での最終調整を終え、岡田監督は言い切った。

 「予想などでも巨人、中日が上なんだが、まず横浜、広島との6試合でいいスタートを切りたい。今年は強いという印象を与えたい。昨季は上位に勝ち越しても、広島に負けたのが最終的に大きかった」

 昨年はリーグ優勝の巨人と日本一の中日に、レギュラーシーズンでは勝ち越した。だが5位広島に9勝14敗1分けと負け越して、結局、3位止まり。V奪回には取りこぼしは禁物と引き締め、開幕ダッシュをぶち上げた。

 FAで新井、トレードで平野、さらに海の向こうからは助っ人フォードと新戦力を組み入れた打線は、試行錯誤の結果、キャンプ前から想定していた“理想型”に落ち着いた。5番今岡のオープン戦で絶不調。直前まで打順変更を検討していた指揮官は決断した。

 「思い描いた理想の形でスタートしたい。クリーンアップは1年固定できるのが理想。今岡は試合で打つしかないんよ」。05年打点王の復活を信じて、ポイントゲッターの5番に置く。

 今年は投手陣にも自信がある。開幕投手の安藤から岩田、福原、下柳、アッチソン、杉山と送り出す開幕ローテーションにも、昨季にない手ごたえがある。

 「昨年も安藤、福原に期待したが(故障で)投げられなかった。1年遅れだけどそろった。最初の6戦が大事なのは、先発が一回りする意味もある」

 優勝した05年の開幕2カードが4勝2敗スタートだったが、それ以降は5割ラインだ。さあ開幕。一気にロケットダッシュを決めて、巨人、中日の強敵を打ち砕く。【町田達彦】