<巨人6-3広島>◇18日◇東京ドーム

 巨人が連敗を2で止め4位に再浮上した。1回、主砲アレックス・ラミレス外野手(33)が13号3ランを放つなど一挙4点を先制。セ・リーグ外国人では最多となる通算224本目のメモリアル弾で勢いに乗った。9回には17日にセーブに失敗したマーク・クルーン投手(35)が3者連続三振で抑え、逃げ切った。波に乗りきれない巨人だが、20日からのセ・パリーグ交流戦で巻き返しを図る。

 右方向へ飛んだ打球の落下点をラミレスは、一塁ベース付近で確認した。右拳を右翼席のファンに掲げ二塁へと走った。ペタジーニを抜き、セ・リーグ外国人最多となる224号メモルアル弾。「いい形で点が入った。その中で記録を達成できたことはベリーハッピーだね。新記録は、日本に連れてきてくれたスカウトに感謝したい」と喜んだ。

 初回だった。1点を先制した後、試合の流れを大きく引き寄せる3ランを右翼席に運んだ。ベンチではいつも通りのパフォーマンスで観客を沸かせた。5月に入って絶好調だ。3割8分1厘、6本塁打、17打点と月間MVPにも手が届きそうな勢い。ぶかぶかのユニホームに好調の秘密が隠されている。春季キャンプ中、体重が100キロを超えユニホームのサイズをワンサイズ大きく替えた。しかし練習前のランニングの量を増やすなどした結果、効果的なダイエットに成功。体のキレが良くなった。打撃だけでなく、不安だった守備でも、開幕当初よりも動けるようになってきた。

 篠塚打撃コーチとは打撃スタイルの違いこそあれ、分かり合える。ティー打撃の合間に真剣に主張をぶつける。右ひざの使い方やスイングの軌道について、持論を展開する。ただ、その際にも下ネタを少し交ぜながら篠塚コーチの笑いをとるのを忘れない。天性の明るさが伝統の4番の重圧を吹き飛ばし、首脳陣やチームメートから信頼されている。

 “セ界最強助っ人”となったラミレスは「本塁打記録をどこまで伸ばせるかとかは言えないけど、ベストを尽くして、できるだけ伸ばしたい」。20日から始まる交流戦でも記録を更新するつもりだ。ただ、対戦したい投手には「ダルビッシュ(日本ハム)や岩隈(楽天)とは当たらなければいいな」とけん制も含めニヤリだ。広島戦3連敗を免れたが、まだ借金3。主砲が巻き返しのチームをけん引する。

 【竹内智信】