<ソフトバンク2-5阪神>◇24日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクの「08年型勝利の方程式」が、5試合で崩れた。試合後、移動用のスーツに着替えた王監督は言った。「うちの形で負けたんだから、しゃーないよ」。1点リードの8回を久米、小椋でしのぎ、9回のマウンドにはホールトンが上がった。ここまで久米、小椋、ホールトンの3投手が登板した試合は、4戦全勝を誇っていた。

 あと1死、あと1ストライクが取れなかった。いきなり連続短長打を浴び、無死二、三塁のピンチを招いた。2死後、藤本をカウント2-3にして四球。続く赤星にもフルカウントから左前適時安打を打たれ、交流戦の開幕連勝は「3」でストップした。ホールトンは「いい結果に終われず残念だ。今日は向こうがうまく打った」と話したが、杉本投手コーチは「最後は追い込んでからのボール、ボールだからもったいなかった」と、詰めの甘さを欠いた投球に苦言を呈した。

 9回の先頭打者、左の鳥谷に、左腕小椋を続投させる選択肢もあった。だが、「勝利の方程式」を確立するためにも、最終回はホールトンだった。「9回みたいなことはしょっちゅうはないが、たまにはあること」。王監督も不敗神話を築きつつあった継投パターンの崩壊を、割り切るしかなかった。これでホールトンは、10試合連続で走者を許し、2戦連続失点で2敗目を喫した。「守護神」という絶対的な称号は、まだ与えられない。【中村泰三】