<横浜9-5オリックス>◇26日◇横浜

 横浜村田の逆転3ランで6連敗のトンネルから抜け出した。2点を追う5回1死一、二塁から、初球の速球を左中間スタンドへ運んだ。「上がりすぎで入るか心配だったけど、風が味方してくれた。みんなでつないだ好機を無駄にしないでよかった」。6連敗中。しかも先発那須野が初回に4失点する苦しい展開だったが、村田は「初回でよかったと考えた。まだ返すチャンスがあるんだから」と気を落とさず攻撃に臨んでいた。

 6戦目で交流戦の初勝利に、大矢監督は「私たちだけでなくファンも悔しい思いをしていたはず。選手が必死に戦い勝ってくれた」と喜びを口にした。すべての手を尽くした。投手陣を13人に増やし、調子が上向きの金城を1番に起用。抑えの寺原も8回から投入した。そして、この日は丸刈りにして球場に現れた。「暑くなったからだよ。さっぱりして臨もうと思って」。ナインへというより「あきらめない」という自らの覚悟を再確認するための行動だった。

 1つ勝ったとはいえ、借金は18。そう簡単に浮上はできない。ただ、大矢監督は「このまま負け続けていくわけにはいかない」と、今後も状況に応じて寺原を早期投入する考えを示した。どれだけ弱いチームでも、必死な戦いは見せられる。【飯島智則】