<ソフトバンク3-2中日>◇12日◇福岡ヤフードーム

 中日小川が、04年8月15日ヤクルト戦以来1397日ぶりの安打を記録した。3回先頭の第1打席、大隣の139キロ直球を左前に運んだ。6回の第2打席でも中前打を放ってマルチ安打を記録。過去3年は1軍出場がなかったプロ5年目の29歳が、今季2度目の先発マスクで気を吐いた。

 オフには「今年でだめなら、もう厳しいと思ってます」と悲壮な決意を口にした。1軍昇格後は田村捕手コーチに送球が右に流れる癖を指摘され「自分は基本からやらないと」と連日、汗まみれになっている。この日は未登録ながら清水将が1軍に初合流。谷繁、小田を含め捕手4人がチームに帯同中。危機感をひしひしと感じていた。

 試合後は浮かない表情だった。「打つ方よりも守りです」。今季初先発の長峰が2回6安打3失点でKO。ファームで苦楽をともにしてきた左腕が集中砲火を浴びて「立ち直らせてやることができなかった。うまくリードしてやらないと意味がない」と悔やんだ。さらに2回の重盗も含め1試合4盗塁を許して「すべて僕の責任です」と笑顔はなかった。【益田一弘】