<中日3-2西武>◇18日◇富山

 中日和田が古巣にきっちりと“恩返し”をした。1-1で迎えた4回1死一塁、西武涌井の見逃せばボール球になる低めの変化球を左前へ運んだ。一、二塁とチャンスを拡大。涌井はそのダメージが響き、連続四球と暴投で2失点と自滅した。

 6回にも左前打、8回には内野安打で4打数3安打の猛打賞。交流戦の西武戦4試合合計では16打数7安打、打率4割3分8厘と打ちまくった。「西武戦で打った?

 そうですか。チームが勝つことがすべてなので気にしていません」。本人は古巣への意識を否定したが、パ・リーグ王者に3勝1敗と勝ち越せたのも西武からFAで獲得した和田の活躍が大きかった。

 試合後、帰りのバスへ向かう途中に西武のロッカー室を通った。「じゃあ、これお願いしま~す」。荷物のバットケースを西武のスタッフに渡すジョークで元チームメートたちの笑いを誘った。11年間、在籍した古巣との対決は最後の最後まで和田のペースで終わった。【鈴木忠平】