<オリックス5-4楽天>20日◇スカイマーク

 オリックス・カブレラ内野手(36)が史上最速の300号到達だ。6回だ。カブレラはスライダーを迷いなくフルスイング。打球はバックスクリーンへの27号ソロとなった。通算934試合目での到達は史上最速。78年田淵(阪神)の1072試合を大幅に更新した。受け取った花束を左手で掲げる。自信に満ちあふれていた。

 来日した01年の西武時代。1本目のアーチが同じ、この神戸のスタジアムだった。「1号も300号もこの球場で打てた。こんなにたくさんの本塁打が打てるとは思っていなかった」と感慨深げだ。日本で活躍できるか、不安を抱えていた当時を思い出し、話した。

 数々のタイトルを獲得しても、心は揺れる。19日の同戦では4三振。この日の試合前には祖国ベネズエラの母トマーサさんに自分から電話した。「自分の力を信じてやれば大丈夫」と激励され、冷静さを取り戻した。同僚への感謝も忘れない。21日に誕生日を迎えるローズには「18年間の仲。(本塁打で)いいプレゼントができた」と笑顔を見せた。

 11連戦を白星で終えた大石監督も「カブレラの本塁打が大きかった」とうなずく。3位の日本ハムとは1・5ゲーム差。クライマックスシリーズ進出へ、300発最速男がさらにアーチを量産させる。【今井貴久】