<阪神5-2横浜>◇24日◇甲子園

 阪神も負けない。24日、横浜戦(甲子園)で逆転勝ち。1点を追う3回、天敵・三浦大輔投手(34)から3番今岡誠内野手(34)が豪快な6号2ランをたたき込んだ。アッチソン、ウィリアムス、藤川の「JAF」が終盤を無失点リレー。引き分けを挟み12連勝中の巨人との直接対決は27日(甲子園)。そこまで負けるわけにはいかない。

 ボールに逆らわず、それでいて力強いスイングだ。1点を追う3回1死一塁。三浦のボールをたらえた打球はセンター後方に伸びる。今岡は必死の形相で「入れっ」と叫んだ。「(バットの)芯は芯。ヘッドが効いていたし、入ると思った。応援してくれるみなさんのおかげで最後、ひと伸びしました」。バックスクリーンのネットに着弾。虎ファンのボルテージは一気に最高潮まで達した。逆転中越え2ランで試合をひっくり返し、流れを引き戻した。

 三浦は今季、阪神との対戦成績が4戦4勝、防御率1・16の天敵だった。初回に先制点を奪われ、苦しい展開が予想された。それでも「そんなことは考えないでバットを振っているだけ。そんな細かいことを考えてもね」と動じない。「三浦打ち」のコツを聞かれると「ありません!」と即答した。34歳のベテランはただ気持ちで打った。

 雰囲気作りはバッチリだ。9月11日に1軍緊急昇格し、ヤクルト戦(甲子園)で復活弾&サヨナラ押し出し四球の大活躍を見せた。だが、翌12日の広島戦(甲子園)から、あえて打席に入る際の登場曲を変更した。バックストリート・ボーイズの「Inconsolable」から、昨季まで使用していた同グループの「GetDown」に替えた。タイトル獲得時に流れていた曲で勝負に向かうことを決めた。

 今季は不振に苦しみ、長い2軍暮らしが続いた。「もう一度花を咲かせたいんです」。2軍トレーナー室で、杉田トレーナーは「気持ちが切れかかっているように見えた。(だから)このチームでタイトルを2つ(首位打者、打点王)取っているやつがどこにおるんや」とあえて厳しいゲキを今岡に向かって飛ばした。そして今、今岡が甲子園に戻ってきたことを喜ぶ。

 試合中、巨人が広島をリードする速報が流されたが今岡は気にならなかった。結局、巨人は勝った。阪神も勝ち、同率首位を死守した。今岡はあくまで自然体を強調する。「(自分は)思いきり集中して、思いきりバットを振って、勝つ。それだけ。どうなるか正直分からないけど、終わった時に1番上にいたらいい」。猛虎の野球を貫き、頂点を目指す。【佐井陽介】