日本ハムが「デーブ無視」の秘策を掲げた。17日開幕のクライマックスシリーズ(CS)第2ステージ(S)で西武と激突するチームは14日、大一番へ向けて千葉・鎌ケ谷で練習を再開した。レギュラーシーズン中から西武大久保打撃コーチに“口撃”されてきたが、前日13日の同コーチとボカチカの内紛を受けてあらためて警戒。挑発に乗らず、平常心で戦うことを決めた。

 大久保コーチとボカチカが激しい口論からあわや殴り合いまでいった騒動から一夜明け、日本ハムの戦略の1つが固まった。今季は元気いっぱいの同コーチから再三、ヤジを飛ばされてきた。ベンチに入っている関係者によると「デーブさんから、かなり汚い言葉もある」という。8月25日の対戦では2死球を与え、乱闘寸前になったが、その先頭に立った同コーチ。日本ハムは、これをきっかけに決勝点を奪われ逆転負けした。

 一触即発ムードに発展したのは、日本ハム中嶋兼任バッテリーコーチが同コーチのヤジに応戦したのがきっかけだった。そんな、前回の反省から導き出した対策が「完全無視」。福良ヘッドコーチは「うちは大人やから」と含み笑い。

 梨田監督も穏やかな表情で「ピリピリするっていうことは、逆に余裕があるってことじゃないのかな」と相手を持ち上げた。初戦を任されるグリンはチームで一番、血気盛んだが「(大久保コーチは)感情が表に出る人。勝って泣いたりしているしね。挑発には乗らないよ」。仮に同コーチに舌戦で揺さぶられても軽く受け流し、白星スタートを奪いにいく。【高山通史】