楽天2軍本拠地が、来季から、これまでの山形に加え、新たに宮城・利府町も追加されることになった。球団の池田敦司副社長(51)が16日、双方に申し入れ、11月17日の日本プロ野球機構(NPB)の実行委員会で正式に決定する。利府町では、屋台村「りふレ横丁」が11月28日にオープン予定。楽天2軍の本拠地化と絡め、地域活性化に向けた準備も進められている。

 イヌワシ軍団が、利府町にやって来る。この一報に、同町のタウンマネジメント機関「株式会社まりづくり利府」の中村肇専務(67)も「喜ばしい限りです」と話した。同社は地元の活性化を目指し、JR東北線の利府駅前に屋台村「りふレ横丁」の開設の準備を進めている。

 約500平方メートル(151・5坪)の敷地に、9店舗が並び、野外での飲食もできるように仮設テントを設置。既に出店が内定し、お好み焼き、焼き鳥、ラーメンなどの屋台が楽しめる予定だ。中心部にはステージがあるイベント広場もあり、中村専務は「楽天さんとも話し合って、グッズ売り場や、選手のサイン会などができれば」。商業施設の少ない駅前を、プロ球団とのコラボレーションでにぎわせたい考えだ。

 山形のYZ・タカスタ(中山町)は、仙台市泉区にある2軍寮からの移動が不便だった。寮はもちろん、1軍本拠地にも近く、100万都市仙台近郊の利府球場は、集客も期待できることから、球団の今回の決定に至った。YZ・タカスタと利府球場でのイースタン・リーグの試合数などは未定だが、利府町は球場の改装も予定。屋台村のできる駅前からはシャトルバスも運行する。球場までの道のりに野球に関連したモニュメントを置く構想もある。同町は、J2仙台やプロバスケットボールの仙台89ERSともかかわりがあり、スポーツタウン誕生が期待される。【由本裕貴】