楽天がヤンキースのダレル・ラズナー投手(27)の獲得に動いていることが16日、分かった。楽天がヤ軍に移籍金100万ドル(約9500万円)を支払うことで、大筋合意している。年俸は未定だが、2年契約になる見込み。ラズナーはヤ軍ローテーションの一角として今季20試合に先発し、5勝(10敗)を挙げた。楽天初の大物メジャーリーガーの獲得は、来季こそ悲願のAクラス入りを目指す球団の意気込みの表れといえる。

 待望の補強が、ついに現実のものになりそうだ。楽天が、獲得を目指しているヤンキースの現役ローテーション投手ラズナー。米田球団代表がこの日、Kスタ宮城で「大詰めは大詰め。よい感触はあります」と交渉は最終段階に至っていることを明かした。島田オーナーも「サインできるんじゃないですか」と獲得を確信している様子だった。

 ラズナーは、今季途中に井川との競争に勝ち、メジャー昇格し、いきなり3連勝をマークした。ムシーナ、ペティットに次ぐ、ヤ軍の先発3番手に成長した本格派右腕だ。ESPNによると、ラズナーが日本球界入りを希望し、ヤ軍キャッシュマンGMが受け入れたという。FAを取得していなかったが、楽天がヤ軍に移籍金を支払うことで大筋合意した。ニューヨークポスト紙には「来年1月に2人目の子供が生まれる。この決断が、自分にとっても、家族にとってもよくなることを祈りたい」とラズナーの談話が掲載された。

 念願の補強だった。来年1年契約の野村監督をバックアップすべく、フロントは、このオフの大型補強を公言していた。ただ、新ストッパー候補として交渉していたブライアン・ファルケンボーグ投手(30=パドレス3A)はソフトバンクに横取りされてしまうなど、補強は難渋した。野村監督はこの日「また横取りされるんじゃないの?

 当てにはしないよ。期待が大きいと、失望も大きいからね」と、正式契約までは安心できないとボヤキ節。それでも、中日中村紀のFAでの獲得も有力な状況と、一気に大型補強が相次ぎ、ボヤく表情は明るかった。

 ラズナー獲得となれば、球団としては初めてと言っていい本格的な補強となる。米田球団代表は「やるときは、やる。まだまだ行きますよ!」と、さらなる補強を目指すと鼻息を荒くした。