登板機会を求め巨人に自由契約を申し出、承諾された門倉健投手(35)のもとに、日、米、韓各国プロ野球複数チームから獲得打診があったことが13日、分かった。埼玉・飯能市で行われた少年野球教室に出席した門倉自身が「オファーはいくつか来ている」と明かした。獲得意思を示す球団の中には、韓国プロ野球の強豪・SKワイバーンズも含まれている。国内外問わず移籍先を模索する右腕をめぐっての争奪戦がスタートした。

 プロ4球団を渡り歩いてきたベテランは、来季36歳で移籍先を模索する不安な立場にもたくましかった。少年たちに普段と変わらぬ明るさで接し、現状と心境を語った。「オファーはいくつか来ている。日本、韓国、アメリカからです。(去就の)方向性を出すにはもう少し時間がかかる。オファーをいただいている所に迷惑を掛けられませんので」。現時点で代理人を介しての交渉は考えていないという。「必要になれば考えます」とまずは静かに動向を見守る構えを示した。

 「けっこうある」という移籍候補の中には、2年連続でアジアシリーズに出場した韓国プロ野球の強豪、SKが含まれている。

 中日、西武の日本一チーム相手に紙一重の勝負をし、急激に実力をつけた。日本通算13年で76勝を挙げた実績に興味を示した。交渉日程など、現時点で移籍へ向けた具体的な進展はない。ただ「条件も大切だが、とにかく野球がしたい気持ちが一番強い。韓国であろうが米国であろうが」と話し、出場機会を最優先に門戸を広くして辛抱強く待つ。「家族も自分の選択についてきてくれるという。苦労かけるかもしれないが、ありがたい」と環境面での支障はない。

 来季推定3500万円プラス出来高の条件提示を断り、「1球でも多く投げられる球団」を求め自由契約を願い出た。出場機会、条件に加えて「変な契約で巨人に失礼、迷惑が掛からないように」と、慎重に新天地を探す。