日本プロ野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が22日に大阪市内で行われ、選手関係委員長の巨人清武英利球団代表(58)が、高校生などアマチュア選手をプロ球団で育成するユース組織の設立を提案した。これが初の事務折衝となった新井選手会長も理解を示したという。

 清武代表は言い切った。「自前の育成組織がなく、大学や社会人に頼っているから、海外流出につながる。次の時代は自前で育てること」。昨年、レッドソックス田沢投手が社会人から直接大リーグ入りしたことで、NPB側は帰国後の入団を一定期間凍結する規制を設けた。しかしこれも抜本的な解決策と言えず、NPBもこの日「暫定的な措置」と認めた。

 さまざまな対策が考えられる中、今回のユース設立案が浮上してきた。サッカー界ではJリーグが高校生以下の世代を下部組織で育成。高校の部活動とは別のプレー環境を構築し共存。野球でも同様の育成方法が不可能とはいえない。日本のプロ野球が新たな方向を目指し始めた。【高宮憲治】

 [2009年1月23日8時43分

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