ソフトバンクの育成ドラフト5位、堂上隼人捕手(26=四国九州IL・香川)が、14日からのキャンプ第4クールでA組(1軍)昇格することになった。この日、初めて1軍のケース打撃練習にメンバー招集され、定評のある守備力をアピール。秋山監督が昇格を明言した。今後、捕手のポジション争いに生き残れば、支配下選手登録への道が開かれる。

 チャンスにかける意気込みが凝縮されたシーンだった。初めて呼ばれた1軍のケース打撃練習。最後の守備機会で堂上がガッツをみせた。打者松田の打球は一塁側ファウルゾーンへの小飛球になった。素早く反応した堂上は、思わず素手の右手で捕球を試みた。1度ではキャッチできず、最後は倒れ込みながらミットに収めた。1軍切符をつかんだ瞬間でもあった。

 ケース打撃終了後、秋山監督が明言した。「次クールの昇格?

 堂上と福田かな。福田はシート打撃(だけの参加)。堂上は宿舎ではミーティングもやっているからな。いろいろ吸収しないと」。ここまで堂上は2軍メンバーながらシートノックなど部分的に1軍合流してきた。が、次クール以降は、宿舎も完全に1軍へと引っ越し。高谷、田上、山崎と正捕手のポジション争いに参戦することが決まったことになる。

 この日も安定した送球をみせるなど、もともと守備力には定評があった。横浜商大時代から強肩捕手で鳴らし、ドラフト候補に挙がり続けた。昨春も米大リーグ、レッドソックスがマイナー契約を検討。その時はビザが取得できず契約には至らなかったが、昨秋ドラフトでソフトバンクに育成枠入団。角田球団代表が「支配下選手登録?

 このまま競争に残れば。枠も空いている」と話したように、3枠ある支配下登録の可能性は十分にある。

 「僕はまだ育成の立場。アピールし続けるしかない。キャッチボールの時から送球でアピールしないと」(堂上)。3月に27歳を迎える遅咲きルーキー。4月3日、シーズン開幕時には、大輪の花を咲かせているかもしれない。【松井周治】

 [2009年2月13日9時1分

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