日本ハム中田翔内野手(19)が、目標を上方修正した。27日、沖縄・名護での2年目キャンプを打ち上げた。「開幕1軍入り」を目標に、実戦では36打数12安打、打率3割3分3厘、3本塁打と猛アピール。2失策と課題の守備には不安を残したが、28日の横浜戦(宜野湾)から始まるオープン戦では、「開幕スタメン」を目標に奮闘することを誓った。

 ただでさえ黒かった中田の肌が、黒光りするほどにその濃さを増した。充実のキャンプ打ち上げ。日サロではなく“天然”の小麦肌が、成長の証しだ。「1日1日勉強することがたくさんあったし、レベルアップできたと思います。1年目と比べたら周りを見ながら行動できたし、今年は短く感じました」。毎朝の恒例だった特守も完走した。夜間練習でティー打撃も行い、攻守に野球漬けの毎日を送った。

 目指す先は高い位置に置く。春季キャンプには「開幕1軍入り」を掲げて臨んだ。「バッティングの課題だった体の開きや突っ込みを、少しは直すことができた」。実戦では打率3割3分3厘、3本塁打。右方向のアーチや追い込まれてからの変化球打ちなど、成長の跡は見せることができた。守備では送球エラーなど2失策を犯したが「自分なりに精いっぱいやりました。試合に出なくても1軍にいればいい…では自分のためにならない。サードというポジションを取るつもりでやっていく」と、目標は「開幕スタメン」に変わった。

 28日の横浜戦(沖縄・宜野湾)から始まるオープン戦での結果がすべて。梨田監督も「(小谷野)栄一をおびやかしてくれている」と評価する一方で「あとはゲームで役に立てるか」と、実戦での結果を重視している。

 話題をさらった昨年はオープン戦初戦の第1打席で本塁打を放ったものの、2試合目の途中から14打席連続無安打と快音が消えた。8試合で17打数2安打と絶不調に陥り、オープン戦途中の3月13日に2軍落ちが決まった。「これからも自分のできる範囲でアピールしていきたい。精いっぱい集中して、結果を気にせずに思いっきりやりたいですね」と気の緩みはない。怪物の挑戦は第2章に入る。【本間翼】

 [2009年2月28日10時27分

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