<オープン戦:ソフトバンク3-3広島>◇29日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが8年ぶりのオープン戦“優勝”を決めた。広島とのオープン戦最終戦で引き分け、01年以来の1位となった。オープン戦のチーム防御率2・69は12球団唯一の2点台で、同1・49と抜群の安定感を誇る救援陣が勝利に貢献している。昨年のオープン戦は前年Bクラス(5位)の西武が渡辺新監督の下で1位となり、日本シリーズも制した。ソフトバンクは昨年最下位で、渡辺監督とともに西武の黄金時代を支えた秋山新監督を迎え再現なるか。

 オープン戦でも気持ちよかった。ソフトバンクはサヨナラ勝ちこそ逃したが、8年ぶりの1位。秋山監督は「勝ち癖をつける意味では良かった」と目を細めた。オープン戦終盤の8試合を7勝1分け。2点差以内が6度と、接戦を制した。結果がすべての時期ではないが、昨季最下位からの逆襲へ弾みをつけた。

 課題だったリリーフ陣が結果を出したのが大きかった。昨季のチーム防御率4・05に対し、オープン戦では12球団で唯一3点を切る2・69。特に救援陣は1・49と抜群の数字を残した。ラストを締めくくったのはドラフト5位の摂津正投手(26=JR東日本東北)で、9回を3者連続三振に切った。登板10試合で無失点。「三振をとるタイプではないんですけどね」と端正なマスクに照れ笑いを浮かべた。

 この日の起用法と同様に神内→摂津から守護神馬原へとつなぐ「勝利の方程式」も輪郭が見えてきた。秋山監督も「(中継ぎ陣は)高いレベルの中で頑張っている」と絞り込みに頭を悩ませているほど。ほぼ当確の摂津、神内、三瀬に加え、ファルケンボーグ、水田、久米、ジャマーノの計7人が、ぎりぎりまでサバイバルを続ける。

 打線では長打力のある3番松田が力を付けた。前日まで3戦連続決勝打をマークするなど勝負強く、この日は3回無死一、二塁で犠牲バント。秋山監督は「どこもいい投手が多く、簡単に点は取れない」と話し、3番松中の昨季とは違い、松田の小技にも期待する。

 いよいよ4日後に迫った開幕戦(オリックス戦)。秋山監督は「いい雰囲気で(シーズンに)入っていけるんじゃないか」と手応えをつかんでいる。昨年の西武のように、前年Bクラスからオープン戦を制して日本一へ。秋山ホークスが逆襲のシーズンへと翼を広げる。【太田尚樹】

 [2009年3月30日8時23分

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