<巨人8-2ソフトバンク>◇28日◇東京ドーム

 ソフトバンク和田毅投手(28)のまさかの7失点で、チームの交流戦連勝を6でストップさせてしまった。28日の巨人2回戦(東京ドーム)に先発。初回に巨人3番小笠原に2ランを浴びるなど、今季ワーストとなる被安打7で大量7点を失った。今季最短の4回1/3KOで3敗目。交流戦歴代最多タイの14勝目も持ち越しとなった。

 立ち上がりからいつもの和田ではなかった。初回。先頭の巨人坂本に、高めのスライダーを簡単に中前打を許した。1死後、打席には小笠原。外角高めの140キロの直球を左翼席へ運ばれた。あっさりと献上してしまった先制点。チームにとっては、実に10戦ぶりに先制点を与える展開だ。最前列に飛び込んだ小笠原のアーチに「ホームランはホームランですから…」と、左腕は自分を責めるように声を振り絞った。

 指揮官の思いに応えられなかった。4点を追う4回表。多村の適時打で1点を返し、なおも2死一、二塁。打席には和田が入った。当然代打という選択もあった。「球数もまだまだだったし、あそこから抑えてほしかった」と秋山監督。結果的に敵失で出塁したが、無得点に終わった。

 直後の4回裏、阿部に右翼席へ2ランされ6点目を失った。今季初の中5日登板の影響もあったのかもしれない。それでも「(調子が悪くても)試合をつくらなければいけないのに、つくることができなかった…」と猛省した。

 トップに立つ最高の舞台のはずだった。ここまで和田の交流戦通算勝利数は13。川上(ブレーブス)が昨季までに挙げた単独トップの14にあと1と迫っていた。「WBC落選」を糧に開幕戦(4月3日オリックス戦)で球団56年ぶりとなる開幕完封勝利の快投。この日の敵将は侍ジャパンを率いた原監督だった。胸の内には熱いものがあったはずだ。しかし原監督の前で快投、そして交流戦最多勝はお預けとなった。「今日は全部が最悪でした」。多くは語らなかった。

 大黒柱で星を落としチームの連勝は6で止まった。しかし登板過多だった「勝利の方程式」摂津、ファルケンボーグ、馬原はこの日登板なし。打線はこの日は10安打。明日30日からはDH制のある本拠地での中日戦が始まる。依然チームは交流戦首位。この日の敗戦は、再加速するための、ひと休みに過ぎない。【倉成孝史】

 [2009年5月29日11時39分

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