楽天有銘兼久投手(30)が「遠山桜2世」になるプランが浮上した。名古屋から仙台に移動した29日、杉山投手コーチが「有銘に一塁の練習をやらせようか」と話した。左中継ぎ投手の一塁守備といえば、野村監督が阪神監督時代の「遠山・葛西スペシャル」の遠山があまりにも有名。同スペシャルは、絶対的なストッパーがいないために編み出した必殺技。右打者には葛西、左打者には遠山が投げ、登板しない投手は一塁に回るもの。遠山は、当時巨人の松井秀喜外野手(現ヤンキース)にめっぽう強く、「遠山・葛西スペシャル」は松井を苦しめ、甲子園を盛り上げた。

 有銘は、今季楽天の左の中継ぎエース。27日には1点リードの8回無死満塁で登板。2者連続三振で2死とし、最後は代打立浪を投ゴロに仕留めた。絶体絶命のピンチを入魂の14球で、無失点で切り抜け、マー君の勝ち星を消さなかった。28日も1点ビハインドの7回1死三塁で登板し、またもや無失点。杉山コーチのプランは、絶好調左腕で救援陣の安定を図りたいもの。先発投手に完投を望む野村監督だが、中継ぎ陣が安定すれば、ボヤキも少なくなるはずだ。【金子航】

 [2009年5月30日7時12分

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