巨人マーク・クルーン投手(36)が来週中に都内の病院で左手第3指(中指)伸筋腱(けん)脱臼の修復手術を受けることが13日、球団から発表された。6日の日本ハム4回戦(東京ドーム)でゴロを捕球し、二塁走者を自ら追い掛けた際に転倒して負傷していた。14日、出場選手登録を抹消され、福岡遠征中のチームを離れて帰京する。全治は約1カ月とみられ、前半戦での復帰は微妙。首位を独走中とはいえ、手痛い守護神離脱となった。

 巨人不動の守護神が手術に踏み切る。クルーンは6日の日本ハム戦の9回、二塁走者を追い掛け転倒、左手を強打した。その後も患部にテーピングをして登板を続け、翌7日の楽天戦でも9回のマウンドに立ち11セーブ目を挙げていた。だが痛みと腫れはこの日になっても引かず、数回の精密検査を経て慎重に協議を重ねた結果、完治を目指すことになった。14日に帰京し、来週中に都内の病院で手術を行う。

 クルーンはこの日のソフトバンク戦も出場メンバーに入り登板準備をしていた。試合前練習では患部に負担のかからないメニューを消化した。試合後は来日中の2人の息子とともに、足早に宿舎へと引き揚げた。球団広報を通じ「シーズン途中にチームを離れることになって残念ですが、手術を受け、1日でも早く復帰できるようにベストを尽くしたいと思います」とコメントを残した。

 診断は「左手第3指伸筋腱脱臼」。負傷後も登板したように重症ではなく、全治までは約1カ月とみられる。患部は左手だが、特に繊細なバランスを要求される投手というポジション、捕球、守備時に負担が掛かることなどを総合的に判断し、保存治療ではなく手術を選択したようだ。

 原監督はこれまで「本人が『投げられる』と言っている以上は、大丈夫ということです。彼の役割は、簡単に代役のきくものではないから」と、繰り返し話していた。回復の具合にもよるが、前半戦での復帰は微妙な状況。チームは守護神抜きでシーズン前半戦を乗り切ることになった。

 クルーンの代役最有力候補としては越智が挙げられる。越智は4月25日にクルーンが右手中指けんしょう炎で出場選手登録を抹消されてから5月13日に再登録されるまで、5セーブを挙げた実績がある。さらにクローザー経験が豊富な豊田に、M・中村も控えている。不動のセットアッパー山口を含め大幅な戦力ダウンは現時点ではない。

 2位ヤクルトとは4ゲーム差で首位を快走中。動じることなく戦い、クルーンの万全での復帰を待つ。

 [2009年6月14日9時4分

 紙面から]ソーシャルブックマーク