<オールスターゲーム:全パ8-10全セ>◇24日◇札幌ドーム

 ソフトバンクの球宴初出場2人が8回のピンチを食い止めた。5点リードから8-7まで追い上げられた8回途中でルーキー摂津正投手(27)が緊急登板。1死二、三塁から中飛を打たれたが、途中出場でセンターを守った長谷川勇也外野手(24)の好返球からカットプレーでタッチアップを阻止。若タカ2人が大舞台で見せ場をつくった。6年連続出場の川崎宗則内野手(28)も好走塁を見せた。

 緊張から解き放たれた2人が、全パのベンチ前で手荒い祝福を受けた。ハイタッチでもみくちゃになったのは、長谷川と摂津だ。初出場コンビが大舞台で“ツメあと”を残した。

 ハイライトは8-7と1点リードの8回1死二、三塁。摂津が広島東出に対し、カウント2-0から得意のシンカーで中飛に仕留めた。三塁走者の横浜内川がタッチアップ。捕球した長谷川は歯を食いしばり、矢のような返球だ。カットに入った日本ハム金子誠からロッテ里崎へとボールはつながって本塁でタッチアウト。冷静な摂津も思わず「オォッ」とさけび、右手でグラブをたたいて喜んだ。

 殊勲の長谷川は「カットプレーだったから、僕の見せ場じゃないっす」と照れ笑いした。8回の守備から待望の初出場。9回先頭の初打席では横浜三浦から左すねに死球を受けたが「大丈夫です。(6月21日の横浜戦で)場外ホームランを打ったから、そのお返しかな」と満面の笑みで球場をあとにした。

 摂津にとっては想定外の初登板だった。当初は登板しない予定だったものの、5点リードしていた8回に楽天有銘が打ち込まれ、1点差の1死二塁で急きょマウンドへ向かった。「特に緊張もなく気楽にやれた」。札幌ドームも初見参となったが「(リーグ戦で登板する)その前に投げられて良かった」と、後半戦への収穫も口にした。

 試合前には2人とも緊張でガチガチだった。長谷川は練習用の青い帽子をかぶり忘れてグラウンドに現れた。「緊張してます」と朝から表情が硬かった摂津は、オープニングセレモニーで入場時に監督やコーチとのハイタッチを忘れた。だが、ひとたびグラウンドに出れば緊張など関係ない。ホークスの代表として「スター」の名に恥じない活躍を見せた。

 [2009年7月25日10時35分

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