巨人高橋由伸外野手(34)が29日、近く腰の手術を行うことを明かした。腰痛のため、今季は開幕から2軍調整が続き28日に、今季初めて1軍復帰し代打で出場したばかりだった。わずか1打席だったが、このままでは納得いく状態でプレーできないと判断し、再起を目指し早期の手術に踏み切ることにした。この日、ベンチ入りせずにチームを離れ帰京。今後、手術日など詳細を詰める。

 阪神戦前、高橋由は通常通り球場入りしたが、ベンチ裏にこもったまま試合前練習に姿を現さなかった。試合開始後、ベンチ裏の通路に集まった報道陣に自ら口を開いた。

 高橋由

 ここまでやってきて、まだ状態がよくない方向に来てしまっている。これ以上、続けてもいい方向に行かない。違った方向に行かないといけない。違った方向?

 手術するということです。

 気持ちの整理はついていた。淡々と感情を抑えながらも、はっきりと答えた。昨年12月から、手術回避でリハビリに取り組んできた。実戦復帰が遅れる手術より、痛みに耐えながら少しずつコンディションを上げる道を選んだ。

 ここまで一進一退だった。1週間単位でメニューが組まれ、その週の成果を見ながら翌週のステップアップを目指してきた。当初の目標だった6月中の実戦復帰がかなわず「どうしても上下がある。でも、まずは目の前のことをできるようにして、少しずつ上げていく。土台を築かないといけないから」と辛抱のひと言だった。電気治療やリンパマッサージなども試した。早期復帰へ最大限の手を尽くした。

 今月11日にはイースタンで実戦復帰。プロ初の一塁守備にも取り組み前日28日、ついに1軍復帰を果たした。しかし、納得いくプレーはかなわなかった。前夜は阪神藤川に見逃し三振。1打席だけだが「(代打に立ち)さらによくないということです」。今月11日のイースタン出場の前から、状態が上がらなければ手術に踏み切る決意を固めていた。「今のままじゃ試合に出られるコンディションは厳しい。痛み?

 当然あります」と現状を明かした。

 シーズンを30試合以上残しての決断は、すべて来季を見据えてのことだ。「当然、早ければ早いほど後ろの時間がつくれる」。原監督も「一番苦しいのは本人。発展的な決断と受け止めています。早期復帰してくれると願っています」とおもんばかった。復帰してわずか1試合、1打席だけでチームを離れる悔しさは相当だろう。その思いを押し殺し、再びグラウンドに戻るため、手術の決断を下した。【古川真弥】

 [2009年8月30日8時21分

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