大一番に能見投入を決めた!

 阪神が、クライマックス・シリーズ(CS)進出を目指し、1日から始まる3位ヤクルトとの3連戦(甲子園)を前にローテ改編に着手することが8月31日、明らかになった。能見篤史投手(30)を中5日で3日の第3戦に起用。前半戦終了時に「13・5」もあったゲーム差は約1カ月で「5」まで縮めた。ヤクルトに、巨人戦4連勝中と波に乗る左腕をぶつけて一気に3連勝を狙う。

 勝負の9月に向けて、スパートをかける時がやってきた。阪神がヤクルト追撃に向けてローテーション改編に動く。久保投手コーチは「直接対決はやっぱり大事よ。一気に差を縮められるのが大きい。それで思惑通りに勝てたら、相手に与えるダメージも大きいからね」とヤクルト戦の意味を説明した。本拠地甲子園での3連戦は勝つしかない。

 3連勝実現のキーマンは乗りに乗っている能見だ。本来は安藤、岩田、久保の順序だが、久保に代わり中5日で能見を投入する。能見は現在、巨人戦4連勝中でチーム勝ち頭の8勝をマーク。7月28日からの後半戦は5試合に登板して4勝1敗、防御率1・91と抜群の内容。久保投手コーチから「能見が投げる時はこっちも勝ちを考えて送り出している」と評されるほど。そんな絶好調左腕をCS争いのライバルにぶつける。

 能見を第3戦に起用した場合、その後は中6日の登板間隔で10日中日戦→17日巨人戦と上位チームとの試合に先発させることができる。シーズン最終盤をにらんだローテ改編になる。

 能見はこの日、甲子園で約1時間半にわたってランニング、キャッチボールなどで汗を流した。「疲れはたまってますよ。でも大丈夫です」と笑顔で充実感を漂わせた。奪った三振数は現在、セ・リーグ3位の126個。1位の広島ルイスまで7個差につけており、奪三振王のタイトルも十分に視野に入ってくる。

 5ゲーム差のヤクルトに3連勝すれば、距離は一気に縮まる。「残り試合を考えても(直接対決は)これまでとの意味合いが大きく違ってくるし、もうムチを入れる時期にきていると思う」と久保投手コーチ。勝負手が決まれば、CS進出はグッと近づく。

 [2009年9月1日11時23分

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