<阪神2-4ヤクルト>◇3日◇甲子園

 守護神不在が生んだ、エースの今季初完投勝利だった。ヤクルト石川雅規投手(29)は「チームも望んでいたし、1人で投げきろうと思っていたので良かった」。守護神林昌勇が腰痛で登録抹消されていた中、疲労困憊(こんぱい)ながら、今季最多134球の熱投を見せた。

 終盤、阪神の猛追を受けながらも高田監督はベンチで腕組みしたままぐっと耐えた。「いつも9回にリードしていたらチャンヨン(林)だけど。ブルペンには経験ない人ばっかりだったし、今日は石川に託そうと思っていた」と明かした。

 8回。相川の押し出し四球でリードを3点に広げ、なおも2死満塁。打席には投手の石川が立った。さらに追加点のほしいところで、本来ならば当然代打の場面。だが、絶対的な守護神が離脱し、投手陣の中で1番信頼の置ける石川と心中覚悟と腹をくくって、そのまま打席に送り込んだ。

 8月23日巨人戦では完封ペースだったが「うちの勝ちパターン」と、最終回のマウンドは林に譲ったところ打たれて勝ちを逃した。この日は4回にブラゼルの強烈な打球が左スネを直撃も「今日はイムさん(林)がいなかったので」と誰にもマウンドは譲らなかった。11安打されながらも2失点で投げ抜き、連敗を6で止め、4位阪神とのゲーム差を再び4へ広げた。

 [2009年9月4日7時59分

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