<ヤクルト2-8巨人>◇20日◇神宮

 クラブハウスを取り囲んだヤクルトファンから、激しいヤジが飛ばされた。クライマックスシリーズ(CS)出場をかけて負けられない試合が続く中、2-8で巨人に完敗。3連戦3連敗で今季4勝17敗1引き分け。高田繁監督(64)の辞任を求める罵声(ばせい)や、ふがいない選手やコーチへの罵声が、約1時間続いた。「こんな結果だし、仕方ないよ」と冷静に受け止めた高田監督だが、すでにCS出場を逃せば辞任を決意している指揮官に対しても、容赦なく続いた。

 情けないプレーの連続だった。絶好調の巨人阿部に対し、3四球を与えるなど、勝負をする前から“逃げ腰”の姿勢。5点差の6回1死一塁、宮本のセカンドライナーで代走で出た一塁走者の吉本が飛び出し併殺。併殺だけは気をつけなければいけない状況で、最悪の走塁ミス。戦力的に格上の巨人を相手に、ファイティングポーズさえ取れず、基本プレー徹底さえできないお粗末さだった。

 ファンのもとへ、五十嵐が謝罪に行くと、厳しい罵声を浴びせていたファンは大喜び。「ほかのやつらも来い」とばかりに、エスカレートしていった。高田監督は「(21日からの)広島は直接争っているチーム。集中して何とか倒せるように頑張りたい。相手としては、かえっていいんじゃないか」と話した。3位の阪神とは、まだ1・5ゲーム差。正念場は、これからやってくる。【小島信行】

 [2009年9月21日9時23分

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