阪神がクレイグ・ブラゼル内野手(29)とスコット・アッチソン投手(33)を来季残留させる方針を固めたことが1日、分かった。クライマックス・シリーズ進出に向けて投打で活躍が期待される助っ人は、日本野球への適性も高く契約延長を図る方向が定まった。ブラゼルが左太もも肉離れを発症し、アッチソンはチーム最多の71試合登板を果たすなど体調面の不安を抱えるが、両選手とも日本でのプレーを望んでおり、勝負の2010年シーズンもタテジマ戦士となる。

 大きな目標の先に、来季の活躍の場も見える。途中入団から劇的な本塁打を量産してチームを救ったブラゼル、藤川とのリリーフコンビで連勝記録を伸ばすアッチソンを、来季も残留させる方針を阪神が固めた。シーズン終了後にも代理人サイドと残留交渉に入る見込みだ。

 「2人が残ることに支障は少ない。新外国人の調査も含めて編成はこれからで最終決定はまだだが、2人は来季残留してもチームの力になるだろう」

 球団首脳は、チームの3位浮上に貢献したブラゼルとアッチソンへの高評価を語る。来季に向けてドミニカ共和国など中南米や韓国・台湾のアジア圏まで視野を広げて外国人調査を進めているが、日本で安定した力を見込める残留コンビもチーム構想に加わる。

 今季は外国人編成が不調で、チームが開幕から大きく出遅れる原因となった。来日7年目となるウィリアムスは再三の左肩痛に悩み、9月には米国に渡って手術に踏み切った。6番右翼で開幕したメンチはまったくの期待外れで、1軍出場はわずかに15試合。早々と戦力構想から外れ、7月中に帰国してしまった。

 そんな不調をぬぐったのが、野手ではブラゼル、投手ではアッチソンの助っ人仲間だった。アッチソンは来日2年目でさらにスケールアップ。抑えの藤川につなぐセットアッパー役として他球団に恐れられる存在となった。

 ブラゼルは交流戦期間の6月5日からチームに合流。西武時代より精度を増した打撃とチームにとけ込む姿勢でクライマックスシリーズ進出への勢いをつけた。阪神の途中入団助っ人としては初の2けた本塁打をマーク。9月29日ヤクルト戦では試合を決める15号2ランを放った。

 ただブラゼルはその本塁打でも左足を引きずりながらダイヤモンドを一周した。一時戦列を離れた左太もも肉離れは完治してなく、球団首脳も「体調や故障の具合がどうかは慎重に判断しないといけない」と話す。アッチソンもチーム最多の登板数がかさんでいることから、残留交渉で体調面の確認だけは怠らない。

 最終的な見極め条件こそつくが、あくまで確実にプレーが可能というメディカルチェック的な要素。両選手とも日本でのプレー続行を望んでいて来季契約を結ぶことは確実だ。残り5試合、3日からのヤクルト決戦前の残留方針決定は、CS進出を目指す両助っ人にとって大きな発奮材料になる。

 [2009年10月2日12時25分

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