「復活の地」で暴れてみせる。阪神佐藤輝明内野手(25)が、スタメン復帰を目指し気合を入れた。

前日28日のヤクルト戦(甲子園)で今季初のスタメン落ち。代役糸原の3安打をベンチで目撃し、自身は代打で空振り三振に倒れていた。直近5試合で19打数1安打、12三振と苦しんでいるが、30日の広島先発は昨季2本塁打している床田寛樹。この日の試合は雨で流れ、リフレッシュ十分でスタメン復帰の可能性もある。もちろん、好調糸原の先発継続も考えられるが「しっかり対策して挑みたいかなと思います。状態は悪くないので、頑張ります」と前を向いた。

雨が降る広島で、黙々とバットを振った。室内練習場では水口1軍打撃コーチと話をする場面も見られ、「いろいろ話をしました。いろいろ確認しました」。岡田監督が練習を見守るシーンもあった中、復調への糸口をつかもうと必死だった。指揮官は前日の試合後、「ボールを振らないで、ストライクを打ってくれたらいい」と指摘。復調のカギは、実にシンプルなものなのかもしれない。「岡田の教え」を体現し、代名詞の豪快アーチといきたいところだ。

プロ1年目の21年10月24日。マツダスタジアムの広島戦で24号アーチを放った。当時はNPB野手ワーストの59打席連続無安打や2軍降格など、どん底を味わっていた。そんな中、約2カ月ぶりの本塁打を敵地で記録した。昨季は打率2割7分5厘と相性は悪くなかった舞台。流れを変えるにはうってつけの場所だ。「やるだけなので、頑張ります」。短い言葉に決意を込めた。その表情は、決して曇ってはいなかった。【中野椋】

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