<日本ハム5-10西武>◇5日◇札幌ドーム

 楽しみは先に延びた。“決着”を信じた3時間45分。最後に待っていたのは「To

 be

 continued」だった。対西武7連敗で優勝マジックは「1」で足踏み。

 梨田監督

 いっぱいファンが来てくれたのに、最後は点差が開いてしまって申し訳ないです。西武に7つか…。途中まで10勝5敗だったのにな。

 優勝目前で立ちふさがった難敵に、苦虫をかみつぶした。

 3回までは理想的な試合運びだった。1点を追う1回、不振にあえいでいた稲葉が左翼線へ同点の適時二塁打を放つと、3回にも右越え適時三塁打。さらに小谷野も左中間を破る2点適時二塁打で続いた。2つの四球を絡めた「つなぎの野球」。リーグ制覇は手の届く位置まで来ていた。

 しかし4回、スウィーニーが高山に2ランを浴びて1点差とされると、信頼をおいてきた江尻-林-坂元-菊地の継投で7失点。4万1999人の期待で高まったスタンドのボルテージは、行き場を失ってドームの天井へと吸い込まれていった。試合後にミーティングで選手に言葉を掛けた梨田監督は「疲れもあると思うけど、疲れていてもやらないと」。中継ぎ陣へ奮起を促した。

 だが、絶対的優位な立場は揺るがない。6日、7日と続く本拠地西武戦で、1つ勝てば地元胴上げは決まる。また10月に入り14打数1安打と不調だった稲葉に2本の長打が生まれたことも好材料。左ひざ打撲で欠場が続いていた糸井も4試合ぶりに代打で復帰した。稲葉は「いろんな悪いところを吐き出して、また新たな気持ちでやればいい」。最後に味わう少しの苦しみは、その後の喜びを大きくするスパイスになる。【本間翼】

 [2009年10月6日8時49分

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