ソフトバンク王貞治球団会長(69)が21日、マリナーズを退団した城島健司捕手(33)にラブコールを送った。この日、福岡ヤフードーム内の球団事務所を訪れ「彼の存在感はホークスに必要だろうと思う。技術的なこともだし、チームを引っ張っていくものをもっている。彼が帰ってきて、また、ホークスのユニホームを着てプレーできるようになれば最高だね」と力説した。

 城島獲得には、高額年俸と正捕手に成長した田上とのポジションがかぶるなど問題もある。しかし王会長は戦力アップだけでなく周囲に与える好影響も大きいと考えているようだ。

 城島とは「師弟」という枠を超えるほど蜜月だ。ダイエー時代は3度のリーグ優勝をともにした。05年オフに城島がメジャー挑戦して以降、打撃不振に陥ったときなど悩みを打ち明けられた。06年7月に胃がん手術を受けた際も、米国から見舞いに駆けつけてくれ、今回も電話であいさつを受けたほどだ。

 竹内COO(球団最高執行責任者)は「まだ方向性を申し上げられる段階ではない」と話すなど球団として最終決断は下されていない。球団事務所で会議に参加した笠井オーナー代行は「(孫オーナーには)今日(東京に)帰って報告する」と語った。ソフトバンク本社の決算発表が今月29日に控えているため、その直後にも孫オーナーが結論を打ち出す方向だが、絶大の信頼を寄せる王会長の言葉だけに重みは十分だ。

 [2009年10月22日8時30分

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