ヤングパワーで野村カープが「初星」を挙げた。秋季日南キャンプ中の広島は30日、韓国プロ野球斗山と練習試合(東光寺)を行い、鮮やかな逆転勝ちを収めた。2点を追う8回、会沢翼捕手(21)が左翼に逆転3ラン。野村謙二郎新監督(43)も白星を評価した。

 起死回生の一発だった。2点を追う8回、無死一、三塁の逆転機を築いた。会沢は3番手右腕の甘いスライダーを逃さない。初球をジャストミートし、左翼に豪快アーチを飛ばした。「自分の課題として、自分に重圧をかけて打席に入るのが目標でした。成果は出たかな」。今季は1軍に初昇格し、プロ初スタメンや初安打もマーク。そんな成長株が、視察した新監督に初勝利をプレゼントした。

 30日までの日南キャンプ第1クールは若手選手をふるい落とす、勝負の場だった。指揮官は言う。「昨日(29日ソフトバンク戦)やられて、今日は勝った。結果は評価したい。(ふるい落としの)重圧があったといっても、1軍でやる重圧はこんなものではない」。31日に2軍メンバーは広島に戻る。来春の沖縄キャンプ参加メンバーを見極める力試しで会沢、丸、松本らが“合格”した。タフな若武者たちはサバイバルを生き残り、日南でアピールを重ねる。【酒井俊作】

 [2009年10月31日11時5分

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