右手人さし指を骨折している日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、けがの回復状況にかかわらず、来年2月に行われる春季キャンプを1軍でスタートすることが濃厚になった。コンディションに配慮した首脳陣からは2軍スタート案も浮上していたが、本人が1軍を希望。球団側も施設面を考慮し、1軍スタートの方針を固めた。来年1月に行われるスタッフ会議で最終決定するが、エースは例年通り、沖縄・名護から開幕を目指すことになりそうだ。

 ダルビッシュに2軍は似合わない!?

 来季から1軍へ配置転換される小林投手コーチが、右手人さし指骨折などのコンディション不良を考慮し、ダルビッシュの2軍キャンプスタート案を示していたが、島田チーム統轄本部長は「(2軍でやる)メリットよりもデメリットの方が大きいと思う。宿舎までを含めた施設面を考えても、1軍でやるのがいいと思う」と話した。

 車でわずか40分ほどしか離れていない1軍キャンプ地の沖縄・名護と2軍の国頭だが、施設面では大きな違いがある。名護は宿舎から球場が徒歩1、2分の距離にあり、昨年改修されたばかりのウエートトレーニング室など設備が充実。そして最大のメリットが、入団当時からともに戦い、体の状態を熟知する中垣チーフトレーナーがいること。同本部長も「それが一番。それに、1軍キャンプの中でも(周囲に左右されず)、自分のやるべきことをしっかりとできる選手だから」と、強い責任感を持つエースを信頼している。

 本人が望んでいることでもある。もともと2軍スタート案が浮上したのは、ダルビッシュのことを考えた首脳陣の「親心」からだったが、「(ベテランなど)よく2軍でやる人はいるけれど、僕はイヤ。雰囲気が違うし、1軍の方がシャキッとしていると思う」と、主力組の中で調整を進めることを希望。「2軍だとなあなあになってしまうかもしれない。1軍キャンプで行かせてもらいます」と言い切っていた。

 最終決定は梨田監督らも顔をそろえる年明けのスタッフ会議後となるが、球団と本人の思惑は合致。慣れ親しんだ名護のマウンドから、4年連続開幕投手を目指していく。【本間翼】

 [2009年12月12日10時53分

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