西武ドラフト1位の菊池雄星投手(18=花巻東)が「工藤塾」へ弟子入りした。28日、埼玉・所沢での出陣式に出席し、あこがれの工藤公康投手(46)と初対面。「想像通りの優しい方」と目を輝かせ、28歳違いの“師弟タッグ”が結成された。式には過去最高の5250人のファンが集まり、「YUSEI」の名前が入ったユニホームを初披露した黄金ルーキーと、古巣復帰の大ベテランの初共演が花を添えた。

 誰よりも雄星が楽しみにしていた。「(工藤が)能力だけで勝ってきたわけじゃないのは分かる。野球への取り組み方や姿勢など、一から山積みになるまで勉強したい」。工藤も終始、笑顔だった。「教えられることなら何でもじゃんじゃん聞いて」と、あらためて歓迎した。

 工藤は雄星の印象に「貫禄(かんろく)といい、落ち着きといい、ボクが入った時とは比較できないくらいしっかりしてる。大丈夫」と、新弟子の活躍にお墨付きを与えた。ただ、指摘も忘れず、「初給料でボクはステレオを買ったけど(雄星は)貯金してると聞いてすごいと思った。でもメリハリは大事。野球だけを考えてれば、うまくなるというものじゃない」。まじめな18歳に、オンとオフの切り替えの重要性を説いた。さらに「女性には気をつけるように」と、冗談交じりにアドバイスを送った。

 刺激を受けた雄星は「流行語大賞をつくれるように頑張ります」と早速新たな目標を掲げた。工藤は西武に所属していた86年にチームメートだった清原、渡辺(現監督)らとともに「新人類」で流行語大賞を受賞した。プロでの活躍だけでなく、世間に与えるインパクトでも師匠に負けない構えだった。【亀山泰宏】

 [2010年1月29日7時50分

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