楽天中村紀洋内野手(36)が17日、紅白戦でエース岩隈から本塁打を放った。今キャンプ初の紅白戦。2回、先頭打者で初打席が回る。初球136キロの直球を悠然と見逃し、2球目の139キロ外角直球を右方向にはじき返した。右中間フェンスを越える先制ソロだ。試合後は「初めての実戦で、うちのエースですからね。打たせてもらいましたよ」と謙遜(けんそん)して話した。岩隈としても初実戦で、ほとんどの投球をストライクゾーンへ集める紅白戦モードだったこともあるが、キッチリ右方向にアーチを描くところが中村紀らしさだった。4回の2打席目は永井から三塁強襲内野安打を放って打点1を追加。2打数2安打2打点で、お役御免となった。

 ネット裏ではこの日、自家用ジェット機で来島した三木谷会長も観戦した。中村紀は「去年はいいところを見せられなかったので、いいところを見せられて良かったです。元気な姿を見せようと、この日に合わせて、打ち込みをしてきましたから」とホッと白い歯をのぞかせた。

 その白い歯に打撃好調の秘密はあった。オフに20本の歯をメンテナンスした。自分の歯を、インプラントのように削り、上にかぶせる義歯をリニューアル。かみ合わせがよくなり、マウスピースのような効果があるという。「値段は言えんけどな。肩こりもなくなったし、よく目が見える気がする」と秘密兵器の威力を実感していた。「思ったようにバットが出た。いいスタートが切れたかな」。ふがいなかった昨年とは違う、新生ノリが好発進した。【金子航】

 [2010年2月18日8時42分

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