オリックスT-岡田外野手(22)がようやく目覚めた。25日、高知キャンプでの紅白戦で岸田の速球を鮮やかに右中間最深部に放り込んだ。紅白戦7試合目、18打席目での今季初アーチ。課題とされる内角高めにもスムーズに対応し、成長のあとを示した。

 「グシャッ」とつぶした白球は逆風をもろともせず120メートル先の芝生に突き刺さった。2回の第1打席。白組の4番で登場したT-岡田は、岸田が投げた初球136キロを一撃で仕留めた。大阪履正社高の先輩、岸田は腰に手を当てて苦笑いを浮かべるしかなかった。

 「真ん中高めの少し内寄りです。手応えがあったけど逆風だったので入るか微妙だった。しっかり押し込めた。いい打ち方ができました。1本出て、ちょっとホッとしましたね」。

 課題の内角高めの直球を、体全体で押し込んだ一振りはまさに練習の成果。宮古島、高知と夜間練習の常連になり、ホテルでは「寝るだけです」。知人とのメールも入浴時間を使うほど野球漬け。流した汗が結果になった。

 開幕まで4番での積極起用を明言している岡田監督も笑顔だ。「あの風であそこまでな。うまく打ったよ。普通にやってたら本塁打は出るよ」。第2打席はレスターから右への大ファウルのあと粘って四球。第3、4打席は左腕伊原に対して連続三振。それでも指揮官は平然としたもの。「左?

 そんなん全然気にならんよ。左でも使うもん。投手の右左で代える選手じゃない。左にどんどん当たった方がいいよ」とオープン戦の全試合スタメンを予告した。27日の阪神戦(安芸)も4番起用が濃厚。入団5年目の魅惑の大砲がいよいよ開花の予感だ。

 [2010年2月26日11時34分

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