<日本ハム6-1中日>◇16日◇鎌ケ谷

 降板や、投げ込みでもやっとけ!

 開幕ローテ入りを目指す中日の2年目伊藤準規投手(19)が16日、“強制降板”させられた。先発したものの、先頭打者への四球から2失点した内容に森繁和ヘッドコーチ(55)が激怒。球数わずか21球で交代を命じ、直後にブルペンで約40分間の投げ込みを行う“罰投”まで課した。開幕直前で異例のショック療法は19歳右腕にとって吉と出るか!?

 マウンドに立つ19歳の表情はこわばっていた。1回、先頭打者の1番田中にストレートの四球を与えると、続く2番二岡には右前打。制球が定まらず、ボールに勢いがない。この時点でベンチは早くも決断を下した。2番手で登板予定のバルデスが小走りで一塁側ブルペンに向かい投球練習を開始した。

 その後、伊藤は2死までこぎ着けたが、5番糸井に中越え2点適時打浴びて失点…。6番小谷野を右飛に抑えたが、2回のマウンドに上がることはなかった。

 伊藤

 全然もっと投げる予定でしたけど、ストップがかかりました。(森ヘッドコーチから)『全然、球もいっていないし、ストライクも入らない。お前は替える』と言われた。今日は最悪の結果になってしまったので何も言えないです…。すみません。

 降板後には一塁側ブルペンに直行。近藤投手コーチとの40分間に及ぶ投球練習で、100球近くを投げ込んだ。近藤コーチは「確認すること?

 そうだね。これは本人と話し合いながらだね」と内容については明かさなかったが、キャンプ中から取り組んでいるフォームを確認したようだ。強制降板&罰投を命じられた伊藤は「(ブルペン投球は)これまでやってきた自分のフォームを考えながら投げた。とにかく良い球、ストライクが入らないと」と声を震わせながら話した。

 この試合まで練習試合を含め、4試合で15イニング2失点(防御率1・20)と抜群の安定感を誇っていた右腕のつまずき。森ヘッドコーチは「話しにならねえ。ブルペン?

 見てない」と突き放した。開幕まで残された試合はあと5試合。他の先発投手陣との兼ね合いを考えると、開幕までの登板機会はあと1度だろう。伊藤は「次にしっかり投げられるように結果を残したい」と精いっぱい前を向いた。19歳右腕に課せられた異例とも言える荒療治。奮起を促した首脳陣の思いに結果で応えるしかない。【桝井聡】

 [2010年3月17日11時2分

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