<阪神4-3横浜>◇27日◇京セラドーム大阪

 ある時はチャンスメーカー、ある時はポイントゲッター。阪神新外国人のマット・マートン外野手(28=ロッキーズ)が、マルチ1番の本領発揮で開幕連勝に一役買った。「今日は城島さんに尽きるけど、僕にとってもいい一日だったよ」。言葉に充実感が漂った。

 2点を追う6回は豪打で寺原攻略の起点となった。失策出塁の狩野を一塁に置いた初球、中軸が打つような弾丸ライナーで左中間を破った。「併殺がほしいだろうから、シュート系が来ると予想してたんだ」。自画自賛の公式戦初長打&初打点。勢いづいた打線は一気に寺原に襲いかかり、鳥谷同点打、金本犠飛と、一挙3点を奪って逆転した。

 2死無走者から、赤星氏のようなヒット&二盗でチャンスを作れることも実証した。3回、中前打を放つと「二塁に行ってもう1点ほしい場面」とサインに以心伝心。平野の2球目、完全に寺原のモーションを盗み、猛烈なヘッドスライディングで初盗塁を決めた。「成功すると思えば(盗塁は)99・9%頭から行くよ」。赤土で上下のユニホームを泥だらけにしてニヤリ。一時代を築いた亀山努氏ばり、闘魂ヘッドを売りにすることまで予告した。

 初のマルチ安打に敬遠も含めた2四球もゲット。開幕2試合で打率4割2分9厘、10打席6出塁と十分に1番の役割を果たしている。4月17日に第2子出産予定を控え、自宅観戦するステファニー夫人(28)に届ける大奮闘。赤毛の安打製造機が止まらない。【松井清員】

 [2010年3月28日11時50分

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