阪神城島健司捕手(33)が1日、打倒中日に自信を見せた。広島戦(マツダ)は雨天中止となったが、すぐに気持ちを切り替え。2日からの中日3連戦(ナゴヤドーム)に向け、1~3番を抑えることの重要性を説いた。走者をためるから、より4番ブランコ、5番和田のポイントゲッターが怖くなる。2人を無走者で迎えれば、大きな致命傷は追わないとの考えだ。落合竜の打倒は優勝へ避けては通れない道。チームが昨年10勝14敗と負け越した反省も踏まえ、まずは先陣を切る安藤を勝利に導く。

 2日からの中日3連戦へ向け、城島は当たり前のように言った。「和田さんはいい打者だし、(ダイエー時代の05年交流戦でも)よく打たれたなあ。いい打者だもん。そりゃ、クリーンアップには打たれますよ」。えっ、いきなりの敗北宣言?

 中軸を抑えるのが勝利への鉄則では?

 背番号2は笑って言った。

 「(相手の)勝つパターンはどういうパターンなのか。(ポイントは)そこでしょう。(中日は)ブランコと和田さんが得点源。つまりその前の打者を抑えないといけない。僕は基本的にそういう考えなんです」

 肉を切らせて骨を断つ、とはこのことか。1番怖いのは走者をためてブランコ、和田の長打だ。1番を務める井端や野本、2番セサル、3番森野を塁に出すからピンチが広がる。全神経を集中させるべきは、ポイントゲッターの2人より1~3番。無走者なら最悪、被害はソロの1点ですむとの考えだ。4、5番に打たれても、その前は絶対抑える。阪神が昨年荒木、井端らにかき回されて10勝14敗と負け越した教訓も踏まえてか、独自の理論で竜倒の自信を見せた。

 天も味方した。広島戦は雨天中止。「(この日の)練習日が1日増えた。ちょっとがっかり」。マツダ室内での練習後に冗談めかしたが、すぐに真顔で言った。「今から頭を切り換えられますからね。1個空いたのは僕にとってよかった」。中日戦の予習は広島戦後の深夜か、2日当日の朝以降を覚悟していたが、お陰で研究時間はたっぷり。特にオープン戦でも唯一対戦しなかったセ・リーグ球団だけに、恵みの雨と歓迎した。

 初戦先発の安藤とも、入念な打ち合わせ時間が持てた。「とり天と城下カレイ、どっちが有名かの話ですよ」。出身高校は同じ大分県。話題は名物自慢と煙に巻いたが、ジョークもゆとりが漂う。第2戦は難敵チェンが予想されるが03年11月、ダイエーの台湾遠征では同国選抜の左腕から二塁打を放っている。「えーっ?

 いつ?

 知らんよ、そんなの」。記憶に残っていないようだが、すぐ「いいイメージ」と絶妙の切り返しだ。倒さなくてはならない落合竜のカベ。突破口を開けるのは城島だ。【松井清員】

 [2010年4月2日11時19分

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