<ソフトバンク6-5中日>◇30日◇福岡ヤフードーム

 中日落合博満監督(56)の執念も実らなかった。延長11回2死三塁、5番手平井の直球が川崎にはじき返された。今季4度目のサヨナラ負けで3連敗。07年から続く福岡ヤフードームでの連敗は7に伸びた。

 鬼門を突破するべく、指揮官は非情の継投を見せた。5-3とリードした5回2死、先発中田賢が安打と連続四球で満塁のピンチを招いて松中を迎えると、降板を告げた。今季初勝利の権利まであと1人という場面だが、初回3点の援護を守れず、リードした直後に再び四球で傷口を広げた右腕をスパッと見切った。

 今季最も早いイニングとなる5回途中からセットアッパー高橋を投入した。その高橋は6回に川崎に同点の2点タイムリーを浴びたが、7回2死からは右のセットアッパー浅尾にスイッチ。今季最長2回1/3を投げさせた。「きょうは早めにいくかもしれないと言われていたので準備はしていた」。高橋と浅尾は口をそろえた。抜群の安定感を誇る2人の投入で執念を見せたが、肝心の打線が追加点を奪えず。最後は相手リリーフ陣とのしのぎ合いに敗れた。

 「他にだれがいける?

 だれかいるか?」。早めの高橋投入について問われた落合監督は淡々と振り返った。「いい部分もあれば悪い部分もある。いい部分は残せばいいし、悪い部分は修正すればいい」。そう言い残すと、3年間も勝ち星のない鬼門を後にした。【鈴木忠平】

 [2010年5月31日11時36分

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