<ロッテ3-1楽天>◇20日◇千葉マリン

 ロッテのビル・マーフィー投手(29)が“鼻カーブ”で快挙を引き寄せた。0-1の7回2死一、三塁。追加点を与えたくない場面で勝負球として高めから鋭く曲がるカーブを投じ、1番聖沢を投ゴロに仕留めた。7回3安打1失点で役目を終えた直後、打線が逆転して開幕6連勝。来日1年目の外国人としては史上3人目のプロ野球タイ、チームでは53年のカイリー以来57年ぶりの記録に「気分は最高」と喜んだ。

 この“鼻カーブ”は西本投手兼バッテリーコーチ直伝だ。入団テストで合格した左腕のカーブが、すっぽ抜けやすいと見抜いた同コーチは、顔の近くで腕を振るように指導。その合図として「鼻の前で親指と人さし指をひねるポーズ」を使ってイメージさせた。顔の近くで腕を鋭く振ることで、制球も安定し変化のキレも増すという。風速10メートル前後の強風の中「慌てて投げてしまった」序盤は制球に苦しんで2回に押し出し四球で1失点も、“鼻カーブ”でリズムを取り戻した。

 14日に再来日したナタリー夫人の前で、来日後最多となる130球の熱投。快挙達成にも「攻撃陣や里崎のリードがあってのこと」と謙虚さを忘れない助っ人の快投は、まだまだ続きそうだ。【斎藤庸裕】

 [2010年6月21日8時19分

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